ブラジル特許庁の2023年-2026年における戦略計画書

4月 4, 2023 at 19:04 コメントを残す

ブラジル特許庁は3月27日(月)、知的財産国家戦略(ENPI)に沿った、様々なプロジェクトとその目標を含む、2023年から2026年の期間の戦略計画を公表した。戦略計画書は、ブラジル特許庁の決議第10/2023号によって正式に公表された。

計画のメインな戦略目標は、以下の9つとなる:

  1. 産業財産権の付与及び登録における品質とスピードを最適化し、国際的に参考になるパフォーマンス基準を達成すること。
  2. 産業財産権の文化及び戦略的活用を推進し、ブラジルの競争力、イノベーション、発展に貢献すること。
  3. ブラジルが国際的な産業財産権制度の段階に主役になることを強化する。
  4. ブラジル社会ではブラジル特許庁の社会的価値に関する認識と理解を高める。
  5. パフォーマンス及びサービス提供の向上に重点を置いたデジタル変革を深化させる。
  6. サービス提供能力の近代化と拡大のための持続可能な資金を確保する。
  7. 増大する需要に対応し、サービス提供において高いパフォーマンスを維持するために必要な労働力の補充と維持を確保すること。
  8. コストパフォーマンスの高い、効率的で持続可能なロジスティクスとインフラのサポートを提供する。
  9. ガバナンス及びマネジメントの実務及び制度的関係を改善する。

ブラジル特許庁は、上記9つの戦略目標に基づき、特許出願の実体審査(出願日から計算)を現在の6.9年から2年に短縮し(2026年)、商標登録出願の実体審査(出願から1次審査まで計算)を現在の10ヶ月から1ヶ月(2026年)、商標無効の行政手続を現在の42ヶ月から15ヶ月に短縮することを目標としている。

各戦略目標には、詳細なプロジェクトが設定されており、設定されたガイドラインと優先事項の実施を具体化することを目的としている。

ブラジル特許庁は、特許登録の品質と俊敏性を最適化するため、人工知能ツールの利用を含めて、特許審査手続きの一部を自動化する予定である。さらに、大学など他の第三者機関と連携して、第三者による調査も実施する予定である。また、ブラジル特許庁の規範と、Global-PPHを含む優先権付与手続きの基準を更新する予定である。

商標出願に関しては、産業財産法の改正の検討に加え、ブラジル特許庁は、商標の実体審査における調査(オフィシャルサーチ)を廃止し、絶対的拒絶理由のみを職権で審査し、相対的拒絶理由(先行登録)は第三者からの異議申立があった場合にのみ検討することを検討する予定である。異議申立手続きも簡素化される予定である。また、商標の「二次的意味」を認識し、非伝統的な商標を登録するための手続きを実施する予定である。 国際的な課題では、ブラジル特許庁は、ブラジルが世界の知的財産協定や条約に参加することを優先し、工業意匠登録のためのハーグ協定の運用にまず重点を置く予定である。戦略的アジェンダには、メルコスール諸国を中心とした知的財産の地域統合のためのインセンティブや、海外での地理的表示の登録に関するリスボン協定へのブラジルの加盟に向けた研究の準備も含まれている。

本戦略計画書は、原文のポルトガル語でこちるをクリックすることによって確認が可能

ホベルト

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