ブラジル公正取引委員会による標準必須特許(SEP)調査

5月 10, 2025 at 10:14 コメントを残す

 2025年4月23日、ブラジルの公正取引委員会(CADE)は、標準必須特許(SEP)に関する紛争に介入する権限を初めて実施し、エリクソンのライセンス活動における支配的地位の乱用に関する職権による調査の開始を勧告した。

 ブラジル公正取引委員会(CADE)は、エリクソンがモトローラおよびレノボに対して,グローバルなライセンス契約を条件でブラジルのみについて5G特許をライセンスすることを拒否したことについて,独占禁止法違反であるかどうかを調査する。すなわち,エリクソンのライセンス活動が標準必須特許(SEP)FRAND(公正,合理的,差別のない)条件に該当するかどうかを調査する。

 今回の調査は、エリクソンとレノボが2025年4月上旬に広範な特許侵害紛争について和解し、ライセンス契約によって解決した後に始まった。レノボは,2014年にモトローラ・モビリティを買収した後,エリクソンとそのモバイル5G特許ポートフォリオのライセンス契約を結ぶために数年にわたって交渉を行っていた。しかし,エリクソンは,(イギリスやブラジルを含む)世界中でレノボおよびモトローラ・モビリティに対して,特許侵害訴訟を提起していた。2024年,モトローラとレノボは,エリクソンに対してブラジルでの暫定的ライセンスを強制するための仮処分を伴う独占禁止法違反に関する予備審査をブラジル公正取引委員会(CADE)に請求した。

 ブラジル公正取引委員会(CADE)の調査部門は、2024年11月に上記仮処分の請求を却下したため,レノボはその決定に対してブラジル公正取引委員会(CADE)の審判機関に不服申し立てを行った。その後,レノボは,グローバルに和解が成立したことにより審判機関への不服申立を撤回したが,同審判機関はエリクソンに対する調査の開始を職権で命じていた。

 上記仮処分に関する予備調査において、ブラジル公正取引委員会(CADE)はホールドアップがなかったという判断を既に下していた。つまり,予備調査の段階でエリクソンによるブラジルにおける権利行使はライセンス契約を締結するための対策ではなかったと判断していた。今回,ブラジル公正取引委員会(CADE)が調査を開始することにより,先の意見を覆してエリクソンの行為が独占禁止法に違反していると判断するのではなく,ブラジル公正取引委員会(CADE)が当該事件に関するエリクソンのライセンス活動を継続的に調査する必要があるためであると説明した。
 今回の職権による調査の勧告に当たり,エリクソンがモトローラおよびレノボに対して契約を締結させるために不当かつ不公正な条件を課し,それが価格差別に該当する可能性を検討すべきと述べた。ブラジル公正取引委員会(CADE)の委員は,必須特許の乱用は公共の利益に関わる問題であるとコメントしており,今回のケースは5G電話市場へのアクセスに不可欠な必須特許を保有する,通信インフラ分野で支配的地位にある企業に関するものである。
 ブラジル公正取引委員会(CADE)による職権調査は,理論的には経済秩序の違反を構成する可能性がある要素が存在し,不服申立の撤回が承認されたにもかかわらず,当該事実を調査し続ける必要があるためだとしている。また,別のブラジル公正取引委員会(CADE)委員によると,ブラジル公正取引委員会(CADE)が主導して,特許権の権利行使による仮処分差止請求が支配的地位の乱用に該当する可能性に関する基準を確立するために,さらに調査を行うべきであるともされた。

ホベルト

出典:ブラジル公正取引委員会(CADE)

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