ペルーの早期審査特許
2012年06月28日にペルーの特許庁(INDECOPI)は「Patente Rapida」(日本語:早い特許)という新しいサービスを発表した。
INDECOPIによると、このサービスで対象としている者は国内の発明家であり、明細書の書き方を分からないという人である。そのサービスを使用する人が出願から特許庁のサポートを受け、指令に対する回答の締め切りを全て守れば、審査期間が現在の平均39ヶ月間ではなく、18ヶ月間でできると予測されている。
INDECOPIの官僚にとって、そのプログラムを通して、ペルーのイノベーションを支援することができ、出願の割合のレベルで国内出願を増えることになるかもしれない。
2011年1月から2012年5月までに居住者の出願は61件だったに対して非居住者の出願は1589件であった。その間に居住者は14件の特許を付与したに対して非居住者は547件の特許を付与した。
実用新案の場合、同じ時期に居住者の出願は111件だったに対して非居住者の出願は15件であった。その間に居住者は51件の実用新案を付与したに対して非居住者は15件の実用新案を付与した。
INDECOPIの官僚が何故居住者が実用新案のルートを選択するかについて説明がなかったが、方式的な問題のことで居住者の出願に対して拒絶査定になるのが多いと説明した。
筆者が勉強した限り、ペルーの実用新案は中国と同じようなアトラクティブなものではないため、恐らくコストの関係で居住者が実用新案のルートを選択することになるかもしれない。
また、筆者の意見であるが、そういう居住者に対する優遇プログラムは特許庁が提供するとしたら、内国民待遇の原則を反するなのではないかと思っていた。
特にペルーはアンデス共同体のメンバーであるので、そういうことが特に問題になりそうと思う。
また、INDECOPIの官僚が提供したデータも面白いと思った。INDECOPIが2011年に公開したデータレコードのデータを以下にシェアする。INDECOPIの官僚が提供したデータは本当にデータだとしたら、大変増加があったのは確かである。
出願 |
||||||||
年度 |
2003 |
2004 |
2005 |
2006 |
2007 |
2008 |
2009 |
2010 |
居住者 |
32 |
38 |
26 |
39 |
28 |
32 |
37 |
39 |
非居住者 |
890 |
812 |
1,026 |
1,232 |
1,332 |
1,504 |
657 |
256 |
合計 |
922 |
850 |
1,052 |
1,271 |
1,360 |
1,536 |
694 |
295 |
カラペト・ホベルト
ソース:INDECOPI
Entry filed under: ペルー, 特許, 特許庁, 統計データ, Uncategorized. Tags: ペルー, 特許, 特許出願, 特許手続き, 審査期間, 早期審査.
1.
kazu | 7月 4, 2012 23:52
いつも最新の情報をありがとうございます。
私も不勉強なのですが、「内国民待遇の原則を反するなのでは」という考えは興味深かったです。
誰か詳しい人がいるかもしれないので、コメントをもらおうとFacebookでシェアしてみました。
2.
theipcrowd | 7月 5, 2012 05:53
kazuさん
どうもありがとうございました。
もし、意見を頂ければ、シェアしてください。
私もSophia Univ.の学者、駒田先生に今度聞いてみます。
3.
【私見】ペルー早期審査の違法性 « BRAZIL知財 | 7月 15, 2012 06:58
[…] 先日、こちらの投稿で、ペルーが2012年06月28日にペルーの特許庁(INDECOPI)は「Patente Rapida」(日本語:早い特許)という新しいサービスを発表したことを報告した。当投稿では、そのポリシーが「内国民待遇の原則」を違反するのではないかと筆者が疑ってた。それについて、さらに深く研究したので私見をシェアする。 […]