商標の先使用権に関する意見書
2021年11月3日、ブラジル特許庁(INPI)の法務局長は、意見書No.43/21を発行し、商標における先使用権の適用に関しますガイドラインを公表しました。
当該意見書は、10年以上にわたって行われてきたブラジル特許庁(INPI)の解釈を明確にすることを目的とされています。本意見書は、特に行政無効訴訟において先使用権に基づく申立が認められます可能性を示唆しています。
ブラジル産業財産法第129条で規定されているように商標出願において「先願主義」が採用されています。つまり、先に出願した者に商標登録を認めますという考え方です。しかし、例外も設けられており、それは先使用権です。
ブラジル産業財産第129条第1項では、他の者が先に商標出願を提出したとしても、先願出願の出願日の少なくとも6ヶ月前に善意で商標を使用していたことが確認されれば、善意で商標を使用した者が後で商標出願をしたとしても先願出願よりも優先的に審査されます。先使用権は、同一または類似の商標を使用し、同一または類似の製品やサービスに関します商標が使用されました場合にのみ行使することができます。
ブラジル特許庁(INPI)の解釈では、先使用権は異議申立のときのみ、つまり先願出願が公開されてから60日以内に請求しますことが可能とされていました。ブラジル特許庁(INPI)のこの解釈は、何回か裁判所で争われていました。裁判所は、登録査定までであれば先使用権の請求が可能と認めます判決もあれば、他方、先使用権の請求は行政手続上の無効審判まで可能と認めます判決もあります。
本意見書No.43/21によると、ブラジル特許庁(INPI)の解釈を変更し、行政手続上の無効審判まで先使用権の請求の可能性を認めました。本意見書では、無効審判における先使用権の請求を禁止します規定が存在しありませんのと同様に、行政上の控訴(審判)において請求します制限も法律に存在していありませんことに基づいています。
本意見書No.43/21は既に執行されており、ブラジルにおける商標実務に大きな影響を与えますと考えられます。原文のものはこちらをクリックすることによって確認が可能です。
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