Archive for 6月, 2015

ブラジル:インフルエンザ治療薬の特許存続期間が維持される

インフルエンザA型、B型以外に豚インフルエンザの治療薬として用いられているタミフルは、5月26日、第2巡回区連邦控訴裁判所の第2特別小法廷により特許有効期限を維持する判決が下された。

本判決は、以前ブラジル特許庁(INPI)の法務局が提訴した「メールボックス特許*」に関する主張を肯定した第一審の判決に対して行われた控訴による控訴審判決である。

第一審判決に対する控訴が認められた場合、特許存続期間 は2016年から2018年まで延期され、つまりパブリックドメインに帰するときが772日延期されることになった。

この事件では、昨年リオデジャネイロ第13連邦法廷の判決によってINPIの主張を認めたことで特許期限を削減すれた。

ブラジルでは、特許の存続期間を 出願日から計算して20年になっています。しかしながら、ブラジル産業財産法第40条補項では付与後の最低保護期間を10年と定めている。それは出願してから審査期間が10年かかった場合に適用されるものである。

「メールボックス特許」はこの最低限の存続期間に関する特別例によって付与さている。しかし、同法第229条単補項によって、「メールボックス特許」の保護期間は元出願の最初の出願 日から計算して20年間と定められているので、保護期間を訂正するために本件が提訴された。

リオデジャネイロ連邦裁判所以外、サンパウロ連邦裁判所やブラジリア連邦区連邦裁判所でも「メールボックス特許 」に関する保護期間決定訴訟も存在する。「メールボックス特許」の存続期間のための決定は、多くの特許権の存続期間が減少され得るし、掛かる発明はパブリックドメインに帰することになる。

ホベルト

ソース:INPI

*<メールボックス特許> TRIPS 協定第27 条で「特許の対象」は技術分野で差別されないことが規定されているが、TRIPS 協定の発効時に、医薬品及び農業用の化学品の特許による保護を認めていない締約国に対して、これを認める法制度が構築される(つまり、物質特許が認められる)までの経過措置として、少なくとも「出願」については受理することを求めている。この出願を「メールボックス出願」、「ブラックボックス出願」などという。同第27 条を満たす法制度が構築され当該メールボックス出願が特許付与された場合に、その出願日及び優先権の主張が可能とされている。(TRIPS 協定第70 条(8))そのような出願からなる特許権は<メールボックス特許>という。

6月 9, 2015 at 20:35 コメントを残す

コロンビア:関連商品に対して商標使用と一部不使用取消審決

2015年1月22日、行政裁判の最高機関である国家審議会(Consejo de Estado)がコロンビア特許庁であるSIC(Superintendencia de Industria y Comercio)による不使用取消審決を破棄した。判決を下したところ、関連商品に対する商標の使用によって不使用取消審判を防ぐことができると判断した。

商標権の権利者は第30類の全ての商品を指定していた「EL LOBO」商標を有している。不使用取消審判の請求人である「Museo El Turron」は複数の商品についての不使用に基づいて不使用取消審判をかけ、SICは本件商標の指定商品を「砂糖、風味料、酵母及びベーキングパウダー」に制限した。

el lobo

被請求人「MOLINO EL LOBO」は国家審議会に対してSICの審決を取り消すための手続きを出した。使用が証明された商品が競業上で不使用取消審決で取り消された商品と関連しているため、審決が妥当ではないという主張であった。「MOLINO EL LOBO」の主張によって、競業上で関連している商品についての不使用によって取り消された場合に、そのような商品に対してある程度に類似する商標が他の者に使用されたら、関連性による混同の恐れが生じ得る。

Consejo de Estadoは、コロンビアに適用される知的財産法であるアンデス共同体*決議486号**についての適切な解釈をアンデス共同体司法裁判所(Tribunal de Justicia de la Comunidad Andina)に求めた***。アンデス共同体司法裁判所の意見によると、使用が証明された商品と取り消された商品は、いずれも消費用又は保存用に加工した植物からの食品であり、同じような販路で販売されるものであるため、本件において、一部不使用取消審決が妥当ではないとのこと。

このことで、Consejo de Estadoが不使用取消審決を破棄した。

執筆者にとってアンデス共同体はとてもエキサイティングな市場であり、決議486号はとても面白い法律と思う。知的財産に関する事件はアンデス共同体司法裁判所までいくこともとても興味深い。

ホベルト

ソース:INTA Bulletin
Consejo de Estado事件番号:11001032400020080041900

* アンデス共同体(Comunidad AndinaもしくはCAN)は、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルーの4ヶ国からなる統括的経済開発と均衡および自治を目的とした国家共同体である。
** 決議486号(Decisión 486)はアンデス共同体における共通知的財産権法である。
*** 欧州において、欧州司法裁判所(ECJ)が統一的な法の解釈を行っていると似たような形式で、アンデス共同体司法裁判所はアンデス共同体の決議の統一的な法の解釈を行っている。

6月 3, 2015 at 16:19 コメントを残す

ブラジル特許庁(INPI)の新しいウェブサイト

2015年5月9日にブラジル特許庁(INPI)が新しいウェブサイトを公開した。新しいウェブサイトにする理由はブラジル連邦政府のウェブ関係の標準に合致するためのものである。

website

まだ英語版が公開されていないようであるが、新しいウェブサイトのテスト版が公開されていたときに、一部のみのコンテンツは英語でもスペイン語でもアクセス可能であった。

コメントや質問がある人は<cgcom@inpi.gov.br>までに連絡することが可能である。本ブログの読者であり、ポルトガル語でコメントを送りたい人がいれば、お気軽にご連絡下さい。

INPIの旧ウェブサイトは30日間<http://www6.inpi.gov.br/>にてアクセスが可能である。

ホベルト

6月 1, 2015 at 17:16 コメントを残す


最近の投稿

現在504人フォロワーがいます。